お客様の所に伺って、お仕事をしていると、こんな言葉が聞こえてきます。
「チョキチョキ・・・良い音ですね!」
「どんな道具を使っているんですか?」
「やっぱりプロが持ってると絵になるね!」
全ての庭師・造園家・植木屋さんは、
その人だけが持つ、“大切なこだわりの道具”を、まず間違いなく持っています。
大きさ、重さ、用途、色、機能、感覚などなど・・・。
どんな道具であれ、使うその人にしかわからない重要な愛すべきポイント。
道具によって、仕上がりが大きく異なってきますので、
中には、自分以外には、絶対に触らせない!といった職人さんもいるぐらいです。
まさに、我々にとっては、“道具が命”と言っても過言ではないでしょう。
例外なく、福庭-ふくにわ-も、大切にしている道具があります。
こちらでは、仕事の相棒ともいえる、その大事な道具たちをご紹介いたします。
もし、ご自分で植木を切る道具をお探しの方は、、ぜひ道具選びの参考になさって下さいね。
写真の道具:岡恒 植木鋏 200mm
木バサミは、およそ15mm以下の細く柔らかめな枝や花を切る際に使用します。
取り扱いのしやすさから、繊細で丁寧さが求められる作業に向いています。
植木屋さんの道具の代表格ですね。
写真は、実際に、福庭-ふくにわ-の代表が使用しているものですが、特徴としては、木バサミの中でも、小さいタイプであることですね。
代表の手のサイズでのフィット感、手に持った感覚、作業での軽さ、取り回しの良さ、こんな理由から、こちらの木バサミを愛用しています。
ケースもとても大切で、木バサミは、切っ先がとがっていますので、ハサミを入れて使用していると、だんだんと、ケースの先が割れてきて、切っ先が飛び出てしまいます。
そのため、ケースの先が金具で補強してあるものを選んで使用しています。
写真の道具:岡恒 剪定鋏ユニーク 180mm
剪定バサミは、およそ15mm以上の硬めの枝や太い枝を切る際に使用します。
バネが付いていますので、少ない力で、硬く太い枝を切ることができます。
こちらの写真も、実際に、福庭-ふくにわ-の代表が使用しているものです。
特徴としては、木バサミと同様に、小さいタイプであること。
大きい方がより太い木を切ることができるのですが、使う手の大きさから、大きいタイプでは、力をハサミにうまく伝える事が出来ずに、疲れてしまいます。
人の手は、千差万別。
道具は、やはり人の手によって使われますので、一概に、『大は小をかねる』とは、いきませんね。赤と白の色も、このハサミを気に入っている理由ですね。
そして、一緒に写っているのは、カッターと、ケースです。
カッターは、植木を切った際に、剪定バサミや他のハサミに“木のヤニ”が付いてしまいますので、それをこそぎ落とす為に、ケースに入れて一緒に持ち歩いています。
写真の道具:シルキー ゴム太郎 荒目 210mm
ノコギリは、太い枝や幹を切る際に使用します。
20mmを超えてくると、剪定バサミでも切ることが難しく、ノコギリを使うことになります。
このノコギリの特徴としては、短めのタイプであることです。
ホームセンターや園芸用品を取り扱っているお店では、色んなメーカーのサイズ240mmや270mmが販売されていることが多いです。
当然、長い方が、ストロークを長く取れますので、1度にたくさん切ることができます。
210mmという、ちょっと短いタイプを選んでいる理由は、木に登ってきる際に、腰に長いものが付いていると、どうしても邪魔になります。木の上という高所で安全に作業する上で、この3cmの違いがとても大きく影響してきます。
写真の道具
上:E−Value(藤原産業) 伸縮式刈込鋏−EG−1200
下:岡恒 刈込鋏 60型
植木屋さんといえば、このハサミをイメージする方も多いのではないでしょうか?
刈り込みバサミは、生垣や木を丸く・四角く、形作る際に使用します。
両手を使うので、太い枝を切れると思われがちですが、実は、太い枝を切る事には、向いていません。
無理して切ると、刃こぼれの原因になってしまいますので、太い枝を切るときには、剪定バサミや太枝切りバサミなどを用います。
最近では、電動式、エンジン式のバリカンも併せて使われています。
左写真上のように、より高いところを切ることが出来る、途中から長さを変えることが出来るタイプもありますね。
ぜひ街で植木屋さんを見かけたら、ご覧になって下さい。
大きなハサミを両手で使い、リズミカルに段々と形をつくっていく様は、とても格好良いですよ。
大きいホウキは、落ち葉の季節には、一般の家庭でもよく使われていますね。
ホームセンターなどで、200円くらいから販売されており、とても安く手に入ります。
中位のホウキや、小さいホウキは、砂利の上を掃くのに、砂利を飛ばさず、葉っぱだけ集めることができ、とても重宝します。
また、竹ボウキは、葉っぱを掃くだけではなく、芝生の目土入れなどにも使用します。
熊手は、枝を集めるのにとても便利。もちろん葉っぱを集める際にも使用しますよ。
竹のタイプや、プラスチック製のもの、金属で出来たものなど、種類もさまざまです。
大きい熊手で、1箇所に大きくかき集め、小さい熊手でかきとります。
福庭-ふくにわ-では、掃いた際の“しなり具合”から竹で出来たものを愛用しています。
「み」 なんだか、面白い名前ですね。「てみ」なんて呼ばれ方もされます。
なかなか一般の方が手に触れる機会はありませんでしょうか。
集めた枝ゴミなどを入れるちりとりの役割や、土や肥料を運ぶ際にも使用します。
特に我々造園業に従事しているものは、掃き終った葉っぱなどを取る際は、ちりとりではなく、この「み」を使います。
大きさは、片手で持てるものや、両手で持つものまで様々ですね。
メーカーによる質、重さ、角度によって、使い方が大きく異なり、福庭-ふくにわ-では、写真のものを好んで選び、長く愛用しています。
剣スコップは、植木や土を掘るために使用します。
角スコップは、掘るというより、運ぶ・すくう事に長けていますね。
柄の長さ、掘る部分の大きさが色々とあるので、用途、施工状況に応じて使い分けます。
福庭-ふくにわ-がこのスコップを選んだポイントとしては、軽くて、丈夫であることです。
木で作られた柄のスコップもあるのですが、実は、木よりもこの鉄で出来たスコップの方が軽いです。
さらに、軽いアルミで出来たスコップもあります。しかし、軽さは良いのですが、強度がそこまで強くありません。
植木や土を、スコップを使い手で掘るというのは、本当に大変です。
そのため、道具による作業効率がとても大切です。
写真左:6尺はしご
写真右:10尺はしご
高さは、尺(およそ30cm)で表されます。
6尺の場合、6段ステップが付きます。
いわゆる脚立ですね。足が3本ですので、3脚なんて呼ばれ方もされます。
写真のはしごは、アルミ製で、とても軽くて丈夫です。
持って運ぶのに、とても良いです。
4本の脚立と違い、脚立自身のバランスを取る事がとても難しいです。
しかし、足を植木の隙間から伸ばせるので、より植木の近くに設置出来ます。